『西の魔女が死んだ』
という小説を知っていますか?
僕はこの小説は人生の教科書の一冊だと思っています。
この本には生きる上で最高レベルで大事な事柄がたくさん詰まっている。
映画化もされたことあるし、結構有名な小説なんですが、
読んだことのない人のために簡単に解説をしておきます。
主人公の「まい」は感受性が強い少女。
彼女はその豊かな感受性のため、中学校での人間関係に不安を抱えていました。
だんだんと塞ぎ込みがちになる「まい」。そのうちに学校に行くこと自体を拒否するようになります。
困った母親は、しばらくの間都会から離れたところに住む祖母の家に「まい」を預けることに。
しかし、そのおばあちゃんは本物の「魔女」で・・・
と、まぁそんな話です。
この本の見所としては、西の魔女(=おばあちゃん)による「魔女修行」です。
まいは「魔女修行」を通してどんどん成長していきます。
少しだけ、小説の中身を抜粋しますね。
「精神力って、根性みたいなもの?」
(中略)
「根性という言葉は、やみくもにがんばるって感じがしますね。おばあちゃんの言う精神力っていうのは、正しい方向をきちんとキャッチするアンテナをしっかりと立てて、身体と心がそれをしっかり受け止めるっていう感じですね」
「ふうん」
まいはわかったようなわからないような変な気持ちになった。
(「西の魔女が死んだ」p68より)
「おばあちゃん、悪魔って本当にいるの?」
と、おそるおそる訊いた。きっと否定してくれるものと思いながら。
でもおばあちゃんからの答えは簡単明瞭だった。
「います」
まいは一瞬息をのんだ。
おばあちゃんはまたにやりとして、
「でも、精神さえ鍛えれば大丈夫」
「どうやって鍛えるの?」
まいは畳みかけるように熱心に聞いた。
「そうね。まず、早寝早起き。食事をしっかりとり、よく運動し、規則正しい生活をする」
この返事を聞いたときのまいの気持ちを想像していただけるだろうか。
(中略)
「本当に、大丈夫。悪魔を防ぐためにも、魔女になるためにも、いちばん大切なのは意志の力。自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力です。その力が強くなれば、悪魔もそう簡単にはとりつきませんよ。」
(「西の魔女が死んだ」p70より)
ここでいう「悪魔」の存在を、僕は確かに感じたことがあります。
それは時に「鬱」という形で、また時に「詐欺」や「すれ違い」という形で僕らの前に現れます。
弱い心の隙間を埋めるように、忍び寄ってきます。そしてそれらは、僕らの積み上げてきたものを一瞬で奪い去ります。
僕らの周りにある卑近で矮小な問題の多くが、僕ら自身が孕む「悪魔」や周りの人間が知らず知らずのうちに招き入れてしまった「悪魔」の仕業のように思います。
西の魔女はそんな「悪魔」に対峙する方法を僕たちに教えてくれています。
- 精神というアンテナを正しい方向に向けること
- 規則正しい(自分にあった)生活スタイルを送ること
- 自分で考えて、自分で決めること
- 自分で決めたことをやり遂げること
これらが、僕たちにできる「悪魔」対策の基本であり、極意なのです。
特に三つ目の「自分で考えて、自分で決めること」っていうのは僕の人生を通しての理念の一つです。
僕が見てきたかっこいい人たち、強い人たちはみんな「自分で考えて、自分で決めて」生きていました。
「決断こそが、自分の証明」
物語の主人公は皆、何かを決断します。
ルフィも、ナルトも、阿良々木くんも、岡部倫太郎も、滝沢くんも
(僕の趣味丸出しですみません 笑)
みんな自らの意志で何かを貫こうとします。
だからかっこいいんです。
「決断」の上にこそ、真の自信は積み上げられていきます。
たとえどんな素晴らしい成功体験をしたとしても、それが誰かに決められたものなら?
それはきっと「あなたのもの」にはなってくれないでしょう。
『親に言われたから東大を受験した。教師に言われた通りに勉強したら東大に受かった。』
『上司に言われた通りに仕事をした。その結果、そのプロジェクトが成功した』
あなたは素直に喜べますか?どこかしこりが残りませんか?
自分で「決断」したからこそ、意味がある。
その結果だからこそ、享受する価値がある。
人間の軸は「決断」によって作られていきます。
それは間違いありません。
たとえ、その決断の結果が思うようなものでなかったとしても、それは改善すべきデータとして以外と簡単に受け入れられるものです。
「決断」した人は、成功すれば自信が積み重なり、失敗すればデータが集まるだけ。
だから、「自分で考えて、自分で決める」ことが人生で使える最大の魔法なんだ。
というのが僕がこの本から学んだ「人生の攻略法」です。
僕が最初にこの本を読んだのは、小学校の頃でした。
あれからもう10年以上経ったけれど、今でも年一くらいで読み返しています。
そして読み返すたびに新しい発見がある本です。
僕は気に入らない本は結構すぐに売っちゃう人ですが、
この本に関しては上京してからわざわざ購入してまで手元に置いておきたかったってレベルの本です。
読んだことない人は是非一度読んでみてください。
最高におすすめです。
最後まで読んでくれてありがとう!
では